Raspberry Pi Zero 2 W トラブルシューティング(授業向け)
対象環境:
- Raspberry Pi Zero 2 W
- Raspberry Pi OS Lite 64bit(GUIなし)
- OSインストール、ユーザー、パスワード、ネットワークは教員側で設定済み
- プログラムは基本的にPCで作成し、scpでRaspberry Piへ転送して実行
0. 最初に確認すること(共通)
トラブルが起きたら、次の順で切り分けると早いです。
- 電源ランプは安定しているか
- PCとRaspberry Piは同じネットワークか
- IPアドレス、ユーザー名、ファイルパスの打ち間違いがないか
- エラーメッセージを1行目から読む(最後だけ見ない)
1. SSH接続でハマる(5項目)
1-1. sshで接続できない(タイムアウト)
- 症状
ssh user@IPを実行しても応答がなくタイムアウトする- 原因
- IPアドレスの打ち間違い
- PCとRaspberry Piが別ネットワーク
- 解決方法
- 配布されたIPを再確認する(1文字ずつ)
- PC側で
ping IPアドレスを実行し疎通確認する - 同じ教室Wi-Fi/有線セグメントにいるか確認する
1-2. Connection refused が出る
- 症状
- すぐ
Connection refusedになる - 原因
- Raspberry Piが未起動、または起動直後でsshサービスが未準備
- 解決方法
- 電源状態を確認し、起動後30-60秒待って再試行する
- それでも不可なら教員へ連絡し本体側状態を確認する
1-3. パスワード入力してもPermission denied
- 症状
Permission denied, please try again.- 原因
- ユーザー名ミス
- キーボード配列差(
@,:,-,_など) - 解決方法
ssh ユーザー名@IPのユーザー名を配布表と照合する- パスワードは画面に表示されない仕様なのでそのまま入力する
- 3回失敗したら入力内容を紙に書いて確認する
1-4. 初回接続メッセージで止まる
- 症状
Are you sure you want to continue connecting (yes/no/[fingerprint])?で進まない- 原因
- 初回接続時のホスト鍵確認メッセージで入力待ちになっている
- 解決方法
yesと入力して Enter を押す- 次回以降は同じPCから同じ端末へなら表示されない
1-5. 接続中に突然切れる
- 症状
- 作業中に
Connection resetなどで切断される - 原因
- Wi-Fi不安定
- 電源品質不良
- 解決方法
- 端末位置を変更し電波状態を改善する
- 電源ケーブル・アダプタ接続を確認する
- 再接続して直前コマンドを再実行する
2. CUI操作でハマる(5項目)
2-1. どこで作業しているか分からない
- 症状
- ファイル作成後に「どこに保存されたか不明」になる
- 原因
- 作業前後のカレントディレクトリ確認が不足している
- 解決方法
pwdで現在位置を必ず確認するlsで中身を見てからcdする- 1操作ごとに「いまどこか」を確認する習慣をつける
2-2. コマンド実行でNo such file or directory
- 症状
cdや実行時にNo such file or directory- 原因
- ファイル名・フォルダ名のタイプミス
- 全角文字や全角スペース混入
- 解決方法
lsで正確な名前を確認して再入力する- 補完(Tabキー)を使って入力ミスを減らす
- 日本語名より半角英数字名を優先する
2-3. Permission deniedでスクリプト実行不可
- 症状
./script.sh実行時にPermission denied- 原因
- 実行権限がない
- 解決方法
chmod +x script.shを実行するls -lで権限表示を確認する- 実行は
./script.shの形式を使う
2-4. sudoを付けるべきか分からない
- 症状
- 設定変更系コマンドが権限エラーになる
- 原因
- 一般ユーザー権限と管理者権限の違いが曖昧
- 解決方法
- システム設定変更時のみ
sudoを使う - ファイル編集や自作プログラム実行では通常
sudo不要 - 迷ったらまず
sudoなしで実行し、エラー内容を確認する
2-5. 終了せず電源を抜いてしまう
- 症状
- 次回起動時に不調、ファイル破損
- 原因
shutdownを実行せずに電源を切っている- 解決方法
- 作業終了時は必ず
sudo shutdown -h nowを実行する - ランプ消灯を確認してから電源を外す
3. PCで作ってscp転送時にハマる(5項目)
3-1. scpコマンドの向きが逆
- 症状
- 転送されたと思ったのにRaspberry Pi側にファイルがない
- 原因
- 「PC -> Pi」と「Pi -> PC」の記法を混同
- 解決方法
- PCからPiへ送る基本形を固定して覚える
scp ローカルファイル ユーザー名@IP:保存先を使う- 転送後にPi側で
lsして存在確認する
3-2. scpでNo such file or directory
- 症状
- scp実行直後にパス不正エラー
- 原因
- ローカル側パス誤り
- 保存先ディレクトリがPi側に存在しない
- 解決方法
- PC側でファイルの場所を確認してからscp実行する
- Pi側で
mkdir -p 保存先を先に作る - パスに空白がある場合は引用符で囲む
3-3. 転送後に古いコードが動いている
- 症状
- 修正したはずの動作に変わらない
- 原因
- 別名ファイルを転送した
- 実行ディレクトリが違う
- 解決方法
- 実行前に
pwdとlsで対象ファイルを確認する cat ファイル名で最新内容か確認する- ファイル名を授業内で統一する
3-4. 改行コード差でシェルスクリプトが動かない
- 症状
bad interpreterや見慣れない記号エラー- 原因
- Windows改行(CRLF)のまま転送
- 解決方法
- エディタの改行コードをLFで保存する
- 必要に応じてPi上で
dos2unixを使う
3-5. 文字コード差で日本語が崩れる
- 症状
- コメントや文字列が文字化け
- 原因
- 文字コードがUTF-8以外
- 解決方法
- エディタ保存形式をUTF-8に統一する
- ターミナル側もUTF-8前提で扱う
4. Python実行でハマる(5項目)
4-1. pythonコマンドで起動できない
- 症状
python: command not found- 原因
- 環境によっては
python3が標準 - 解決方法
python3 ファイル名.pyで実行する- 授業では
python3を統一表記にする
4-2. ModuleNotFoundError が出る
- 症状
No module named ...- 原因
- 必要ライブラリ未導入
- ライブラリ名とパッケージ名の取り違え
- 解決方法
- エラーメッセージのモジュール名を確認する
- 配布手順どおりにインストールする
- 同じコマンドを全員で統一する
4-3. IndentationError が出る
- 症状
IndentationErrorやunexpected indent- 原因
- インデント崩れ(スペース/タブ混在)
- 解決方法
- エディタでインデントをスペース4つに統一する
- 問題行の前後を見て字下げを揃える
- まず最小サンプルから再実行する
4-4. 実行したらすぐ終了して結果が見えない
- 症状
- 何も起きないように見える
- 原因
- 例外で即終了している
- 期待した出力文がない
- 解決方法
print()を途中に追加して到達点を確認する- 端末に出たTraceback全文を読む
- 1ブロックずつ段階実行して切り分ける
4-5. 無限ループを止められない
- 症状
- LED点滅などが止まらない
- 原因
while Trueの停止方法を知らない- 解決方法
- 端末で
Ctrl + Cを押して停止する - 終了処理(例: GPIO cleanup)を
except KeyboardInterruptで書く
5. GPIO・配線でハマる(5項目)
5-1. LEDが点灯しない
- 症状
- 実行してもLED無反応
- 原因
- LED極性逆
- GND未接続
- ピン番号の指定ミス
- 解決方法
- 長い足(アノード)と短い足(カソード)を確認する
- GNDへの経路があるか配線を追う
- 配線図とコードのピン番号を一致させる
5-2. BOARD番号とBCM番号を混同
- 症状
- 想定と別ピンが動く、または無反応
- 原因
- 物理ピン番号とGPIO番号の混在
- 解決方法
- 授業では方式を1つに統一する(例: BCM)
GPIO.setmode(GPIO.BCM)と配線図の対応を確認する
5-3. 部品やPi本体が熱い
- 症状
- 異常発熱、焦げ臭いにおい
- 原因
- 3.3V/5V配線ミス
- ショート
- 解決方法
- 直ちに電源を切る
- 配線を全外しして最小構成でやり直す
- 教員確認後に再通電する
5-4. センサー値が不安定
- 症状
- 値が大きくぶれる、時々0や異常値
- 原因
- 配線接触不良
- GND共有不足
- サンプリング条件不適切
- 解決方法
- ジャンパ線を挿し直す
- GND共通化を再確認する
- 読み取り間隔を適切に設定する
5-5. 実験後に次の班が再現できない
- 症状
- 同じコードなのに動かない
- 原因
- 配線を戻していない
- 変更箇所が記録されていない
- 解決方法
- 実験後に配線写真を残す
- 「配線図」「使用ピン」「実行コマンド」を3点セットで記録する
- 班内で再現確認してから終了する
6. 相談時に持ってくると解決が早い情報
質問するときは次を提示してください。
- 実行したコマンド(コピペ)
- エラーメッセージ全文
pwdとlsの結果- 配線写真(GPIOを含む全体)
- どこまでできて、どこで止まったか
この5点が揃っていると、教員・TA・チームメンバーが短時間で原因を特定できます。